縮毛矯正やストレートパーマというとまず想定されるのは 「伸ばす」ということです。
「とにかくクセを伸ばしたい」というニーズ
が切実な場合は、 ここに対応しないとプロの仕事とは言えません。
しかしながらここ数年、 ストレートパーマに対する消費者の価値観はずいぶんと変わってきたように感じます。 縮毛正のような伸び一辺倒ではなく、 「自然なまとまり」や「やわらかさ」 また「ツヤ感」など、従来の縮毛矯正とは異なった質感やデザイニング、そして何より繰り返し施術できて、しかもクオリティの高いものを求めるようになってきています。
薬剤の強さ、放置時間、 アイロンの温度やテンションなど、 「伸びなかったらどうしよう」という不安を抱えながら、全部が暖味なまま施術をし、結果的にオーバーワーク…といったことをなくすためにも、また、こうした新しいニーズに対応していくためにも 「ただ伸ばす」ではなく、これからは「「どう伸ばす」 という視点で縮毛矯正をとらえていかないといけないと思います。しかもそれは続けられることであることが大切です。
一般的に2回目のストレート施術は「リタッチ」、あるいは「リタッチ縮毛矯正」と呼ばれていることが多いようです。
これはおそらくヘアカラーのリタッチと同じような概念でやっているから、と思われます。
根元だけ薬剤を塗布して既ストレート部には触らない、 あるいは既ストレート部をトリートメントなどで処理していく、というやり方ですが聞くところによるとこのような場合、既ストレート部にはアイロンも入れず、2剤処理もしないということが多いようです。
根元のメンテナンスだけであるのでお客様にとっては時間もお金もかからないというメリットもありますがこれを続けていくと本来薬剤の影響がないと思われるところにも蓄積されたり、境目の部分や薬剤のついていない部分が残り、髪のコンディションが悪くなっていったりします。
強いパワーのある1剤が既ストレート部に付着した状態であるのに何も処理をしていなかった、というのはとても危険なことです。
そこで今回提案したいのはリピート時を考えたストレート、つまり来店2回目で本当の効果を発揮し、3回目ではトラブルシューティングがない状態にまでにしていくための「セカンド縮毛矯正」施術です。
そのために必要な条件は1つには塗布法を変えること、 2つめは酸性縮毛矯正を使用すること、 3つめはアイロンワークの見直しをすることです。
「セカンド縮毛」はこうした既ストレート部への処理も含めてトータルで施術を考えていくのが基本です。
このテクニックを駆使することによって、薬剤の蓄積による影響に左右されなくなる、デザインの幅が広がる、今までの質感や感触が違うことを実感できるストレートになると思います。
この「セカンド縮毛矯正」において、メインで使用していく薬剤は酸性のストレート剤です。
システアミン GMT ラクトンチオールで構成されており、特徴としては髪表面のキューティクルとその内側、芯の外側と内側に作用するものです。
ストレートパーマの薬剤はハード、ノーマルといった区分けが一般的かと思いますが、「セカンド縮毛矯正」ではコスメ系を加えることで対応薬剤の幅を広げていきます。
「セカンド縮毛矯正」 では塗布、 軟化の見極め、 アイロンワークも従来の方法とはかなり違ってきます。
一例を挙げると、薬剤塗布はチューブ式で行うこと、従来の軟化チェックにあたる部分はロッド
によるテストカール風にしていくことなども「セカンドストレート」を効果的にしていくポイントになります。
実際のプロセスでは薬剤操作6~7割、アイロンテクニック8割のバランスで考えていきます。 1回目に関しては初めてストレートをする場合と同様で、根元はハードタイプ、中間から毛先はノーマルタイプ
での施術で行います。温度設定は 180℃としてアイロンは「きれいに伸ばす」ことを優先するので、根元からやや直線的にワンスルーしていきます。
3回目は、ほぼ「セカンド縮毛矯正」の方法を踏襲していきます。
コスメ系をストレート施術に使用する場合、ハードタイプやノーマルタイプに比べ 「なんとなく伸びないのでは?」という不安感があると思います。
従来の医薬部外品のストレート剤発想ではそう
思われるかもしれませんが、進化した酸性ストレート剤を使うことによってそうした不安は解消されますし、従来の薬剤では対応が難しい毛先に対してもダメージレスかつ「曲がる余地」があるストレートが実現可能になります。
ストレートは毛先10cmの部分をどうつくるかによって、かなり印象が変わるスタイルです。 繰り返し施術を望む方、 あるいは切りたくない方が最も敏感に思うその「毛先」へのこだわりにも対応でき、また、自然に内巻きを求める人、伸ばしていきたい人に対してもアピールしていける 「セカンド縮毛矯正」が、今後のストレート施術の可能性を広げる一助になれば、と思っています。